『げんしけん 二代目』第11話が琴線に触れまくりで、感想書かないと心残りになりそうなので少し書きます。
 
ようやく咲に告白することができた斑目。
斑目や斑目以外の人の内にあった「わだかまり」が解消されて、本当に良かったと思うと同時に、感じる一抹の寂しさもあって涙が滲みました。

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「チャンスあるならアンジェラと一回付き合ってみればいいのに」と話を振った咲。

それを聞いた皆は「斑目は咲のことを好きだからなぁ・・・」と、ちょっと言及に困りますって反応でした。恵子の言葉を借りると"裏で事情通"な空気が場に流れた。
その中で、恵子(と大野)だけちょっと他の人とはちがう反応してたように見えたのよね。言葉の真意が別にあるんじゃないかという、ちょっとした引っ掛かりを覚えたような。

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"他の女性と付き合えれば変われるよ"という発言は、斑目が次の恋を始められるよう遠まわしにアシストしていたんだよね。咲なりに考えて。
斑目にせっかくモテ期来てるのに。ずっと縛っちゃってるのは悪いと感じていたのだろう。しかしその反面では、モテてる斑目を知って、ちょっとヤキモチ焼いて意地悪したくなったり。


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波戸くんは斑目が好きというか、自分と境遇が似ている斑目と自分を重ねていたのだと思ってます。片想いしている女性に付き合っている男性がいて、それが自分の良く知ってる人で、結実しないであろう恋という点が似てる。

恵子が斑目の事をここまで親身になって考えていたとはね・・・それに、このまま問題を先送りにしていたんじゃ、皆にとって良くないと感じ取ったんでしょうね。自分の中で、彼女はげんしけんサークル部外者じゃないです。


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で、コスプレ会場に居づらくなった斑目が逃げ込んだ先が「部室」だったわけよね。
部室という「楽しかった過去」へ縛られてる証左だと思います。

そこからの流れが良かった。
斑目が吹っ切れる場を後輩が作ってくれて、お互いの事で悩んでる斑目と咲を知ってる高坂の配慮があったり、咲の覚悟があったり。
ここまでしてくれて話をはぐらかして逃げるのは、男が廃るというか誠意のない人間になってしまう。

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大学時代、鼻毛が出ていると"言えなかった"

言おうとして言えなかったこと=好きだと言えなかったこと。
そう喩えて口にする、斑目の精一杯の告白。これは伝わるよね。


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咲の涙に、自分も泣いてしまいそうでした。
色々な想いに決着をつけることが出来て嬉しいはずなのに、零れてくる涙。ずっと思い悩んでいたのだろうね。それを考えるだけで泣けてくる。
4年以上思い続けた想いが終わってしまった、という寂しさもあったのかもしれない。斑目への咲の想いは好意以上のものがあったように感じるし、咲自身もちゃんと失恋できたんじゃないかな。



過去に縛られていたのは、斑目だけじゃなかった。
咲も、事情を知っていた皆もずっと心残りで。
そして、斑目の恋をちゃんと見届けてなかった視聴者自身もね。ひょっとしたら『げんしけん』で描き切れなかった原作者も同じ心境だったのかもしれない。

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部室にはもう斑目の姿も、咲の姿もない。
部室という楽しかった過去に居座り続ける者は、もう誰もいない。

これで本当に『げんしけん』は終わったんだ。





「びいだま」と「クラブハウスサンド」の2曲を聞いて、また涙する自分だったけれど。
小さく光る宝物を胸にしまって、笑顔で言えたんだ "バイバイ" って。


 
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